統計検定1級の対策はなかなかにハード。
過去問を概観して、ランク付けしてみた。
レベルについて
A:とても簡単、解けないとやばい(基本の確認にオススメ)
B:ふつう、合否を分ける問題。
C:難しいorやりにくい、完答は大変。部分点を狙う。
D:地雷、本番で選んだら積むような難易度or計算量
統計数理レベル表
スマホだと表が少し見づらいです。
年度\問 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
2012 | A | A | A | A | C |
2013 | A | C | A | B | C |
2014 | A | C | B | C | B |
2015 | B | A | C | C | C |
2016 | A | A | C | B | C |
2017 | D | A | B | B | B |
2018 | B | C | B | B | A |
概観してみると、合格の目安が60%ということなので、基本的にはAの問題を完答して、Bの問題でどこまで取れるかにかかってくると思う。
傾向として、部分点は取りやすくなっているが、最後の小問が取りにくくなって完答しづらくなっている気がする。
Aレベル問題の特徴
すごく基本的な問題ばかりで、基礎力の確認や定着には非常に良い問題だと思う。
微積分ができれば解けるものが中心になっている。
試験対策はまずこれらA問題を解けるようにするだけで、かなり理解は深まると思う。
推定
最尤推定、フィッシャー情報量の導出、クラメール・ラオの下限の確認などの手順の決まりきった推定問題。
多項分布の最尤推定をする場合はラグランジュを使ったほうがミスが減る。
変数変換
純粋に変数変換して、変換後の確率密度関数、期待値や分散、相関係数などの基本統計量を求めたりする。
たまに、メジアンやモードを導出することもある。
モーメント母関数から変換できるときは楽だが、畳込みを行う際は計算に注意が必要。
順序統計量
大したひねりもないのによく出てくる。
簡単な場合が多いので絶対に落としたらダメ。
計算の際には組み合わせの個数を掛け忘れないようにする。
レベルBの特徴
多くの場合は計算が厄介になる。
分散の計算
各種推定量の分散の比較で優劣を論じるような問題における分散の計算。
難しいわけではないが、二乗を忘れたり、符号を見落としたりして計算でミスしやすい。
独立でない確率変数を扱うときにも計算ミスの可能性があることに注意。
条件付き~~
条件付き分布、条件付き期待値は、積分区間が変わったりするうえに、積分計算自体も統計学で見慣れた形とは少し代わってしまうのでミスが起こりやすい。
また、多変量正規分布はよく出題されるが、出題された場合は殆どが条件付き○○に関する問いになっているので、あまり得意じゃないなら即時撤退をしよう。
検定
尤度比検定とカイ二乗適合度検定がでる。
難しくはないが、カイ二乗適合度検定のときに実データを与えられると、電卓を叩くときのミスタイプの恐怖と戦うことになる。
再び出るかは不明だが、尤度比検定がカイ二乗適合度検定に近似されることは知っておいてもいいと思う。(2013年問5)
直接的に問われたことはないが、出題範囲に当たるスコア検定やワルド検定も出そう。