統計検定準1級対策の書籍紹介

スポンサーリンク
スポンサーリンク

統計検定準1級が対策しづらいのは公式テキストのせい!?

統計検定準1級は正直言って一番対策が難しいです。

2級までの様に暗記だけで乗り切るには少々範囲が広いしすべてをカバーしたテキストがない。

かといって1級の様に数学力で押し切ることも難しい。

実際に対策していく中で「なんだこれ?」ってのはたくさんありました。

公式テキストにさえ載っていないから過去問の答えだけでは理解しきれない設問もままありました。

準1級がまだないころの1級用のテキストしかないから出題範囲がミスマッチな感が否めません。

あと、統計応用にあたる部分が参考文献譲りになっている点も自分にはつらかった。

公式テキストは頭のいい人向け、初学者におすすめの本

公式テキストは行間が端折られすぎて統計学にも数学にもそれほど明るくなかった文系の自分にはもっとかみ砕いた説明が必要だったので、大学の図書館や書店であらゆる本を見まくって、過去問でわからない問題が出るたびに調べまくった。

その結果、統計検定準1級を対策していくうえで非常におすすめな本がいくらか見当たったので列挙している。

用途も示しておいたのでわからない問題の種類に応じて使いたい。

選定基準

とにかく、直観的なわかりやすさを重視している。

定義→定理→証明みたいな数学科的な本は数学科や数学に明るい人たちでないと理解が難しい。

また、直観的とは言いながらも、図や言葉で「どうしてそうなるのか」をしっかり説明しているものを選んである。

理論のための厳密さじゃなくて、実用のためのわかりやすさで選んでいるので

初学者や独学者、ガッチガチに大学数学をやってきていない人に向いていると思う。

コスパを意識するなら本は買ったほうがいい説

特に大学生とかだと図書館で借りられるものも多いはず。

でも、「合格すること」に主眼を置くなら買ったほうがいい。

何より時間がもったいない。

学生でも社会人でも、限られた時間の中で勉強しなければならないので、仮にお目当ての本が見つからなかった場合、参照するまでに時間がかかる。

その上答えが出なかったりしたら非常に時間がもったいない。

また、何か気づきがあった時に書き込んだりすることができないのもネック。

後で見返したときに復習しづらいし、勉強したときのコンテクストをトリガーにした記憶も難しくなる。

買うことで合格に近づくなら、お財布と相談して自前で用意するほうがいいと私は思っている。

統計学 基礎篇

共分散や標準化といった記述統計から2級レベルの検定、推定といった統計学の基本にあたるところのおすすめを紹介。

『統計解析がわかる』

本当におすすめ。多変量解析の時にも同じ著者の本を紹介するけれど、涌井兄弟の本は図やイラスト、言葉をつくして丁寧に書かれており、非常に丁寧でわかりやすい。

よくわからないから暗記して逃げがちな

  • なんで、分散がわからない正規母集団の平均の推定にt分布を使うのか
  • なんでF分布の自由度はなんでn-1とかn-2とかあるのか

みたいなところまで踏み込んで丁寧に書いてくれている点がいい。

それでいて、「不偏分散がχ^2分布に従う」といったような非常に高度な理解を要するところで躓かないように、いわば「覚えとけ」みたいな感じで深く立ち入らないようにしてくれている点も好感が持てる。

あと、地味に推定量の不偏性、一致性、有効性って何なのかとか書いてくれているのは助かった。(1級で特に役立つ)

sまた、他書籍では触れていない分散分析についても非常に詳しくついていて、練習問題までついているところが良い。

ベイズは載っていないので注意。

『プログラミングのための確率統計』

この本には個人的に非常に助けられた思い入れもあるが、とにかく読者に伝わりやすいように砕いて”確率や統計の本質” を学べる点が非常に良いところ。

検定とか区間推定みたいな統計検定準1級や2級の主役みたいなところはほぼない代わりに、分散共分散行列の意味や変数変換みたいな1級レベルの内容が載っていてミスマッチなところも多いけれど、ベイズ統計やベイズの定理の考え方や期待値の意味する本当のところみたいな、他の本が触れない点にもしっかり触れているうえに、難しい理論や数学で煙に巻くようなことはせずに”イメージ”しやすいようにふんだんにイラストや言葉を尽くしてくれている。

1級では主力級に活躍するので持っていてほしい1冊。

 

モーメント母関数とか変数変換みたいなところは準1級の範囲には余るところと分散分析が載っていない。
決定係数の求め方とかも、がっつり取り上げられていない。
でも、検定や推定は非常によくできているので1級も見据えるならマセマは非常に良いと個人的には思う。

『マンガでわかる統計学』

めっちゃわかりやすいとか、検定の範囲やレベルに即しているかというよりもとにかくとっつきやすい一冊。

「マンガで理解~」みたいなタイトルの本はたくさんあるが申し訳程度の挿絵みたいなマンガがあるだけの大してわかりやすくもないものと違って、オーム社のマンガでわかるシリーズはシナリオを楽しみながらその過程で統計学の”ニュアンス”を掴める。

この本でとっかかりやすくして、本腰を入れて勉強するためにのワンステップとしていいと思う。

本当に最初の1冊としておすすめ。

ベイズ統計

毎年出るベイズ。

さほど本格的にはならないが、条件付き独立とか事後分布の出題もある上に、データサイエンスとは切っても切れない間柄なので今後も重要性は増していくという点でいくらか対策があるといいと思う。

『道具としてのベイズ統計』

ベイズの定理とまとめて事前分布、事後分布あたりにも丁寧に触れてくれているところが良い。

また、1級も見据えた少し発展的な内容も含まれている。

『プログラミングのための確率統計』

再度登場。

ベイズ自体にはページがそれほど割かれていないが読んでみるとすっごくわかりやすい。

ベイズの定理のところでは、「神様視点」とか「絵描き歌」がめっちゃ役に立つ。

幼稚な書き方かもしれないけれどその分、とても分かりやすい。

事後分布等についても、簡潔な言及があり、少々数学的な 理解を要する場面もあるが、直観的に理解しやすいようにまとめてくれている。

多変量解析

合否を分ける難易度ながら、記述問題や論述問題でしばしば顔緒を出す割りに公式テキストでの記述が貧弱すぎて難しい多変量解析ものオススメ本をpick up

『多変量解析がわかる』

 

『統計解析がわかる』と同じように「よくわからないし覚えて乗り切ろう」となりがちな箇所を直観的にわかりやすく解説してくれているかゆいところに手の届く1冊。
主成分分析、判別分析、因子分析
など、メジャーどころはしっかり押さえてあり、範囲のカバー率も高い。

『ピタリとわかる 多変量解析』

同じく涌井兄弟の著作。

『多変量解析がわかる』との違いは、良くも悪くも見開き1ページに収まっているので説明が少々アッサリする。

個人的には出版年の古い本なので入手が難しいこととと、レイアウトがめっちゃダサいことがネックです。

でも、『多変量解析がわかる』がくどいと感じるなら多少合うかもしれません。

レイアウトがpower pointみたいとかダサいとか文句は言っていますが、わかりやすさには不思議と影響がないので好みで選んでいいと思います。

後は過去問をやりこむ

正直に言うと、オッズ比を用いた検定問題とかも出てきていますが、未だにスッキリとわかる説明をしている本が少ないのが現状です。

論述問題だと1級の統計応用に近い問題もあるので、見てわかる問題だけチェックしておくといい。

内容として躓きやすいのは主成分分析、判別分析、因子分析といった多変量解析になると思われるのでしっかり対策すべき。

おそらく上記の参考書で合格点は十分に取れると思う。

あとは量をこなして慣れるだけ。

演習として2級の過去問はとてもオススメ。