問1 変動係数
$$(変動係数)=\frac{標準偏差}{平均}$$
で表され、「平均値の何%の散らばり具合なのか」を知る指標とでも把握しておく。
[1]
$$\frac{11}{55}=\frac{1}{5}$$
[2]
平均が50→60になったが、変動係数がそのままということは、sを1か月後の標準偏差とすると、
$$\frac{s}{60}=\frac{1}{5}\Leftrightarrow s=12$$
問2 期待値
問題文からして、あり得るのは、
①:(1,1,2,3,3,4)か②:(1,2,2,3,4,4)
の2パターン。
それぞれの場合に期待値を計算してみる。
①のとき、
$$E[X]=\frac{1}{6}\begin{pmatrix}1+1+2+3+3+4\end{pmatrix}=\frac{7}{3}$$
②のとき、
$$E[X]=\frac{1}{6}\begin{pmatrix}1+2+2+3+4+4\end{pmatrix}=\frac{8}{3}$$
[2]
Y=3となる目の組み合わせは、
(1,3),(2,3),(3,1),(3,2),(3,3)
だが、2の目は2つあるので、
Y=3となるのは7通り。
$$P(Y=3)=\frac{7}{36}$$
問3 適合度検定
[1]
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 計 |
観測度数 | 6 | 4 | 5 | 3 | 6 | 8 | 10 | 42 |
期待度数 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 42 |
$$(観測度数-期待度数)^2$$ | 0 | 4 | 1 | 9 | 0 | 4 | 16 | 34 |
$$\chi^2=\sum\frac{(観測度数-期待度数)^2}{期待度数}=\frac{17}{3}$$
[2]
$$\chi^2_{0.05}(7-1)=12.59>\chi^2=\frac{17}{3}$$
より、臨界値は12.59で帰無仮説は棄却されない。
問4 区間推定、検定
[1]
問5 検出力
検出力の理解が問われる良問。
[1]
二項分布の正規近似を前提にすると、
$$P(\hat{p}\geq c)=0.05$$
$$\Leftrightarrow \frac{c-0.4}{\sqrt{\frac{0.4\times 0.6}{n}}}=1.645$$
$$c=0.4+1.645\sqrt{{0.24}{n}}\tag{1}$$
n=600なので、c=0.433を得る。
答えは③
[2]
$$H_1下でのP(\hat{p}\geq c)をP_1(\hat{p}\geq c)とする。$$
Z~N(0,1)として、
$$P_1(\hat{p}\geq c)\Leftrightarrow P_1(Z_{\alpha}\geq -0.85)=1-0.1977\approx 0.8$$
答えは⑤
[3]
(1)式より、
$$P(\hat{p}\geq c)=0.05を満たすとき、$$
$$c=0.4+1.645\sqrt{{0.24}{n}}$$
このとき、検出力を95%をするには
$$P_1(\hat{p}\geq c)=0.95を解けばよい$$
$$\Leftrightarrow \frac{0.4+1.645\sqrt{{0.24}{n}}-0.45}{\sqrt{\frac{0.45\times 0.55}{n}}}=-1.645$$
計算すると、
$$n\approx 1055 を得る。$$
答えは⑤
問6 回帰分析
[1]
$$S_e^2,S_t^2,f_e,f_tをそれぞれ残差と全体の平方和、自由度とすると、
$$\bar{R}^2=1-\frac{\frac{S_e^2}{f_e}}{\frac{S_t^2}{f_t}}$$
$$\bar{R}^2=1-\frac{20}{19}\begin{pmatrix}1-R^2\end{pmatrix}\approx -0.0135$$
答えは①
[2]
DW=2-2ρより、
$$2.98=2-2\hat{\rho}\Leftrightarrow \hat{\rho}=-0.49$$
また、
$$\hat{\rho}< 0より残差は毎度符号が逆転するので(ウ)が適している。
答えは⑤
問7 フィッシャーの3原則
①,②:効果の差がわからないから意味がない。
③:局所管理を満たしている。
④:これでわかるのは水はけによる差で、肥料の差はわからない。
⑤:局所管理は畑の状態を整えるではない。
答えは③
問8 確率分布
[1]
$$P(T\leq t)=1-P(T>t)=F(t)とする。$$
$$f(t)=F'(t)=(1-e^{-\lambda t})’=\lambda e^{-\lambda t}$$
答えは④
[2]
$$E[t]=\int_{0}^{infty}t\lambda e^{-\lambda t}dt=\frac{1}{\lambda}$$
※部分積分
メジアンをmとすると、
$$\int_{0}^{m}\lambda e^{-\lambda t}dt=F(m)=1-e^{-\lambda m}=\frac{1}{2}$$
$$\Leftrightarrow m=\frac{\log 2}{\lambda}$$
答えは⑤
[3]
標本平均=2
$$\Leftrightarrow \lambda=\frac{1}{2}$$
$$\hat{m}=2\log 2\approx 2\times 0.7=1.4$$
答えは②
問9 分散分析
[1]
①:F値の和は関係ない。
②:F値が変わるのでもちろんP値も変わる。
③:F値は変わる。
④:触媒と温度の交互作用の変動が残差に吸収されるので、残差の平方和は増える。
⑤:触媒と温度の交互作用の自由度は残差の自由度に吸収される。
答えは④
[2]
触媒と温度の交互作用は有意ではないので、①,②,③は不適。
④,⑤のどちらかが答えだが、前後でF値は、
$$F’=\frac{\frac{48}{2}}{\frac{168+346}{4+9}}$$
になるが、有意ではないので④が答えになる。
問10 ベイズの定理
[1]
政治をP、経済をE、社会をS、
国会をC、株価をFとする。
P(P)=0.2、P(E)=0.3、P(S)=0.5
P(F)=P(F|P)+P(F|E)+P(F|S)
P(F)=0.02+0.12+0.05=0.19
答えは②
[2]
求めるのは、
$$\frac{P(P|C\cap\bar{F})}{P(E|C\cap\bar{F})}$$
$$P(P|C\cap\bar{F})=\frac{P(C\cap\bar{F}|P)P(P)}{P(C\cap\bar{F})}=\frac{P(C|P)P(\bar{F}|P)P(P)}{P(C\cap\bar{F})}$$
$$\Leftrightarrow \frac{0.3\times 0.9\times 0.2}{P(C\cap \bar{F})}$$
$$P(E|C\cap\bar{F})=\frac{P(C\cap\bar{F}|E)P(E)}{P(C\cap\bar{F})}=\frac{P(C|E)P(\bar{F}|E)P(E)}{P(C\cap\bar{F})}$$
$$\Leftrightarrow \frac{0.1\times 0.6\times 0.3}{P(C\cap \bar{F})}$$
よって、
$$\frac{P(P|C\cap\bar{F})}{P(E|C\cap\bar{F})}=3$$
答えは④
問11 マルコフ連鎖
[1]
条件に従えば、答えは④
[2]
平衡方程式を解くと、
$$\begin{pmatrix}p_t&q_t\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}ap_{t-1}+cq_{t-1}\\bp_{t-1}+dq_{t-1}\end{pmatrix}$$
問題文に即せば、
$$\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}\frac{1}{6}&\frac{1}{2}\\\frac{1}{2}&\frac{5}{6}\end{pmatrix}$$
[3]
$$\begin{pmatrix}p&q\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}p&q\end{pmatrix}\begin{pmatrix}\frac{1}{6}&\frac{1}{2}\\\frac{1}{2}&\frac{5}{6}\end{pmatrix}$$
これを解くと、
$$p=\frac{3}{8}$$
を得る。
答えは①
問12 欠測値
[1]
(ア)は二つの正規分布が1:1になっているので山がくっつく。
(イ)は3:7で、N(2,0.25)のほうが割合が大きい。
答えは①